第七章
「家族の未来予想図」を使った
非常識な家づくりの手順
おしまい
あとがき
さていかがでしたでしょうか?かなり過激なことも書いてきましたが、それもこれも、現代の住宅業界に強い憤りというか、変えないといけないという強い思いがあるからこそなんですよね。
誰が作ったかは知らないですけど、住宅業界に存在する「とにかく早く決めてください」という風潮。その風潮は何十年経っても変わらず、それどころか現代の多様性を認めないといけない時代と相まって、ますます巧妙になるばかりのように感じます。
家づくりは一生に何回もするものじゃないし、素人は住宅に関して無知だということをいいことに、とにかく頭を使わせないために繰り出す業界が生み出した様々なキラートークの数々。「みんなやってますよ」「大手だから安心ですよ」「設計士に任せた方が無難ですよ」「不安な部分は占いに任せましょう」そうやって顧客に頭を使わせないようにして売るやり方で一番頭を使っていないのは実は売り手側です。本来は売り手側がお施主様の未来についてもっと頭を使わなければいけない。
家づくりにおいて主役はお施主様です。それなのにお施主様のことを考えずとにかく売ることだけを考えて今日もへんな家が量産されていく。日本の住宅業界はこのままで良いのか?この怒りにも似たモヤモヤした感情がピークに達した時、私はこの書籍の共同著者である倉地加奈子さん、監修者である倉地類人さんにお会いしました。
もうこれは ”出会いのもの!” だと思った。これまで私が追い求めていた最後のピースをとうとう手に入れた!と思った。これなら住宅業界を変えられる!と。
一部の伝説の営業マンだけが行っていた、お施主様の未来までを予測して考える家づくり。私も不器用ながらずっと行ってきたように思います。戸建てでも賃貸でも常にそれを考えてきたからこそ、曲がりなりにもこの業界に40年携わり、だからありがたいことに私の仕事に魅力を感じ、息子が自分の会社を継ぎたいと言ってくれたのだと自負しています。
でもまだ何かが足りなかった。私にはどうしてもない才能をもった人の力が必要だった。私よりもさらにその力を極めた人を見つけた時、私の行っていきたい理想の家づくりの形が完成したように思います。
私はこの「家族のための未来予想図」を使った家づくりで日本の住宅業界を変えます。そしてこの家づくりを通じて理想の家を手にした人たちと一緒になって、「家って家族にとってこんなにも大事で、大切で、すごい力があるんだ!」という喜びを共有し、思いやりというエネルギーの渦を作っていきたい。
この家づくりのやり方は万人受けはしないかもしれない。私も自分の考え方に共感してくれない方の家づくりに携わるつもりはありません。まして私は、お客様の意見をすべて聞き入れるイエスマンでは決してない。でも、家族と幸せに暮らしたいと思っている人たちと出会いたい。家族のことを思いやれる人と出会いたい。その人たちのために、良い家を建てるためだったら、住宅のプロとして時に叱咤激励だってすることだってある。思いやりとはそういうことだと思いますし、これからもそんな仕事ができたらと考えております。
さて最後に、住宅業界の裏側を躊躇なく暴露してくれた倉地加奈子さんご夫婦と、私たちと一緒になって住宅業界を変えたいと強い思いで集ってくれている工務店の同志たち、私の会社を継ぎたいと言ってくれた息子、そしてこれまで私で建ててくれた400名以上のお施主様に感謝を申し上げて、この書籍を終わりにしたいと思います。
長い文章になりましたが、この書籍があなたの家づくりに何かしらのプラスになれたのなら幸いです。最後まで読んでくださり誠にありがとうございました。
あなたの家づくりの成功と理想の家の完成を心より願っております。
株式会社エーテル
伊藤雄一
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